リュートのフレット修理
リュートの表面板上のフレットが破損してしまった件。
何はともあれ制作者の奥清秀さんの工房に楽器を持ち込んで修理していただきたいところだが、現在は、工房を埼玉県から東京へと移されている。埼玉県人の私は、以前は工房に度々足を運べたが(と言っても、埼玉の北と南を高速道路で往復)、今回は、自動車または電車で行くとしても、乗り換えがやっかいで時間がかかりそう…しかも、預け、引き取りあわせて2往復!どうしよう…と、思いあぐねていてもしょうがないので、フレットを取り寄せて自分で修理することにした。
早速、奥さんに、予備用もふくめフレット3本の製作と送付の依頼のメールを送った。すると、快く承諾の返事をいただけたが、納期に2週間ほどかかるとのこと。まあ、焦らず、この間ガンバや自転車に勤しんで待つことにした。
思いがけずも10日程して送付の連絡をいただき、フレット3本の代金計1500円也を振り込む。
程なくして、郵送(封筒)にて手元に無事届く。
ご覧の通り、楽器の材料の端切れとラップでしっかり包装されている。
1mm角、長さ8cmの黒檀?製…う~ん、自分じゃとても加工製作できない代物。
ちなみに、こちらが、奥清秀さんの弦楽器工房のブログ
お~っ!私の楽器の妹か弟分の製作中の写真!
(そういえばあちらの言葉ではリュートは何性だったかしらん?)
何を隠そうこの自分、リュートキットを組み立てたり、ブリッジ修理をした経験があり、今回の修理は、お茶の子さいさい…おいおい大丈夫??
おもむろに、膠(ニカワ)つけの準備を始める。
膠の先を工具でくだき、数辺のかけらと少量の水を小容器に入れ湯煎して溶かし始める。
まずは、表面板にマスキングテープを張り養生をほどこす。
誰かに教わった訳ではないが、このテープの隙間が味噌!フレットの位置決めと、接着度を高めるための紙やすりがけを表面板を傷つけずしかも容易すくする工夫なのである。
弦をかき分け、かき分け、テープの隙間に、折った紙やすりの背をあてて、あっちでゴシゴシ、こっちでゴシゴシ…ついでにピントもブレブレ。
あれあれ、こんなに苦労しないで弦を外せばいいのに…?と訝(いぶか)るそこの貴方!…チッチッチッ!
貼り付けた後、圧着するための工夫なのである。アルミの定規をあて鉛筆を差し込み固定する。弦の張力を利用したこの賢さ…弦を外すのが(緩めるのも)単に面倒くさかったとも言えるが…。
え~っと、肝心の膠づけの場面はというと…忙しくて写真どころではなかったのである。
文章で再現すると、水彩絵具用の細筆を使い、チャッチャッとテープの隙間に膠を含ませ、その隙間にフレットをあてがった。そう、テープは、表面板に膠が染みださないための工夫でもあるのだ。!エヘンエヘン。
後は、ケースの蓋を閉じて膠が固まるのを待つだけ。
結果は、寝て待つことにした藤兵衛であった。
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コメント
こんにちわ。すごく器用なのですね。とても真似できないです。キットで作っちゃうなんてすごいです。
奥 様のブログ見ましたー。以前にも藤兵衛さんのバロックリュート以後、これで2本目ほどつくられているようですよ。きれいな楽器です。美しいーー◎◎
投稿: miaya | 2013年6月16日 (日) 14時11分
miayaさん、コメントありがとうございます。そう言えば、この楽器、完成してから3年以上たちますね。リュートは繊細な楽器ですので、今回のようなほころびはつきものです。ちょっとしたメンテナンスの技術持っていると便利です。膠づけは、準備は面倒ですがそんなに難しくないですよ。先程、私も奥さんのブログのぞきました。奇遇にも弟(妹?)分の楽器製作中の写真がありましたのでコメント書き込んでしまいました。
投稿: 藤兵衛 | 2013年6月16日 (日) 14時51分