前回で、私所有の「トレンクル7500」にまつわる怨念(笑い)に触れたが、恨む程でもないものに「シングルギア」仕様がある。改造マニアなら真っ先に怨念晴らすべく多段化変速化に挑むはずである。改造マニアでなくとも、小学生大沢ヒバリちゃんでさえ、すかさすアオバ自転車店にて愛車「トレンクル6500」に変速機を付けてもらって得意満面…『並木橋通りアオバ自転車店第14巻』92~96頁参照…当然のごとくアオバちゃんは羨ましがる。
ところが、私は、改造マニアらしくなく「ふっ!若いね」…と大人ぽく笑い流してしまう。そう、私は、正真正銘の小太りの中年の立派な(何が?)「大人」なのである。小柄なヒバリちゃんや若い人なら「シュアン! びゅん!シャオン」とかっこよくきめられるが、
©GAKU MIYAO 2005
ただでさえ中年オヤジがノーマルな「トレンクル」をシャカシャカとこぐ姿自体が傍目には滑稽にうつること請けあい…う~っ、女子高生の集団に「見て見てぇ~なにあれ~!!」と爆笑された苦い体験がフラッシュバック(汗)。その私を襲ったつらい出来事は、リカンベントを乗る時に、女子高生が出没しそうな場所や時間帯はさけるという回避行動をとってしまうPTSD(トラウマ)となって心に深く刻まれてしまったのである(おおげさ~笑い)。
それに、70kg近い体重を受けてキシキシきしむ折りたたみ自転車は精神衛生上よろしくないし、ブレーキの制動能力もハイスピードに対しては心細い。
そもそも、携行の便利さが売りの「トレンクル」に軽さを犠牲にしてまでスピードを求めたり、峠越えなど伴うロングライドなど私にとっては全く必要としない要件である。車体が軽い「トレンクル」は、シングルギアでも思った以上に軽快な走りを味わえる。ちなみに折りたたみ自転車のスピード感はBD-1に活路を見いだした訳である。
私の「トレンクル」改造のコンセプト・方向性は「納得して快適に使える」ことだと、ペダル換装・スタンド装着してみて定まったのである。これまでの改造費は飲み会一回スルーした程度に納まっていし、コストパフォーマンスも念頭に置き、遊んでいるパーツの使い回しも考えよう。おっと、リカンベント山猫君(Lynxx)からとりはずしたAlfine内装8段ハブが遊んでるけど…重くなるのでパス、「トレンクル内装11段化」はもちろん圏外(笑い)
怨念の一つといえば、購入直後の痛い経験…嬉しさのあまりはしゃぎ過ぎ、段差を乗り越えようと、小径車に乗っていることを忘れ景気よく「えいや!」と前輪を持ち上げた途端、車体がウイリー状態となり、あっと言う間も無く車体ごと後方へ回転し背中から転倒して危うく後頭部を路面に強打しそうになったこと。まあ、単に自分が間抜けだったのであり、「トレンクル」の責任ではない。まさしく痛みを伴う教訓となったわけ。その自転車の特性にあった乗り方を見極め、危険をともなう無謀なことは2度とやらなければ済む話である。その時ついたサドルの尻に残る破れ傷を見るたび自戒している。
それよりも、購入以来、違和感を感じていたのは、あの握りにくく回しにくいそっけない「T字型」のハンドル!。そもそも、クロスバイクのフラットハンドルでも、両腕を「八の字」のように広げて握ることに不自然さを感じていた。その疲れやすく操縦しにくさに辟易し、ハンドル両端にバーエンドバーをつけるも却って状況は悪化。そこで、幅の狭いドロップハンドルに交換した途端、ウソのように操縦感が安定したという経験上、ハンドル交換のできない「トレンクル」のハンドルは宿痾のような存在であった。これぞまさしく怨念(笑い)
そこで、その怨念晴らすべく「トレンクル・ハンドル快適化」プロジェクトを発動した次第である。
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○月某日
改めて「トレンクル」のハンドル幅を測定すると、46cmと小柄な車体にしては長大であり、14インチタイヤを弄んでいるとしか思えない。
とりあえず試しに、これまた固く握りにくいグリップを外して、先述のロードバイク用の不用となったパーエンドバー(舌を噛みそうなんで以下エンドバーと表記)を装着してみる。ついでに、BD-1から取りはずした高価なブレーキレバーも左側に仮付けし具合を確認。
正面からだと、車体と不釣り合いなハンドルの長さがはっきり見てとれる。
ネットで検索したら工房赤松で、ハンドル交換できるようにステム改造を受け付けているが、これは、新しいハンドル代その他ふくめると、飲み会1回分ではとても賄えなくなるのでスルー。同工房はマニアックなトレンクル改造パーツがあるので改造マニア必見
閑話休題…このバーエンドをつけた姿から、BR-1ボルホーン改造(未紹介)からヒントを得ることになる。そう、ハンドルをブルホーン又はドロハン並に短くカットしてしまえばいいのだと思いつきパイプカッターを取り出した。
ハンドルにセットするもしばし戸惑う。なにしろ元に戻れなくなる…。
…目を閉じて…心鎮め深呼吸…息をとめ…眦を決し「くわぁ~」とまわし切る。
先端から5cmカット。左右合わせて10cm短くなった訳である。
これで背水の陣の如く、ただ前進するのみ…
ハンドルは、不倶戴天の敵から酷い仕打ち受けむくれたかのようにそっぽむいてしまっているが、有無を言わせず、すかさずパーツを装着。
結局、故あってオリジナルのブレーキレバーを再利用、ソフトタイブのグリップをねじ込み、チャチャッと、かのカーボン製のエンドパー(Trion BE-103)を装着して一丁あがり~。今回のパーツは使い回しのものがほとんどで、お代は居酒屋のおつまみ1~2品程度かな?
手前味噌ながら中々いい感じ。早速握ってみる。
ソフトタイブのグリップは前の固いグリップが嘘のように握りやすい。ドロップハンドル並の肩幅と同じハンドル幅となり、エンドバーも俄然グリップ感が増した。そのため、エンドパーを握ったままでもハンドルを小幅にコントロールでき圧倒的に操舵感が向上した。そもそも自転車では走行中の大きなハンドル操作は転倒を招くだけであって必要のない動作である。長めのフラットハンドルの両端(またはエンドバー)を握った両腕「八の字」型ポジションで、ハンドルぶんぶん振り回すのはいかに不自然だったかを、今回実感することができた。
また、下段の写真のように、オリジナルのハンドルは取付角度を変えるだけで思わぬ効果を引き出した。エンドバーを握ったままブレーキレバーを操作できるのである。より確実にレバーを引くには、先端が長く湾曲して突き出たギドネットブレーキが効果ありそうだが(BR-1のブルホーンハンドルに装着で実証済み~未紹介)、ゆっくり走る分には現状で充分。また、かさばる荷物を持って移動することもないので、通勤用自転車で愛用しているRixen & Kaul のバッグをとりつける大型のアタッチメントの装着は今回見合わせた。小さめのバッグをつけるアタッチメントはいけるかも…。
これで、本体改造の目的(怨念返し)は充分果たしたかな?(笑い)
折りたたむとエンドバーがあらぬ方向に突き出ている。きちきちで収納に手間どった怨念(笑い)のトレンクル純正のキャリーバッグでは泣かされるのは目に見える。しかし、一回り以上大きいBD-1が納まる「ちび輪バッグ」があるので、問題ないだろう。
いずれ今回頻出しているBD-1のカスタマイズについて紹介するおりに触れたいと思う。
「怨念の」枕詞をトレンクルから何とかはずせた藤兵衛であった
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