« シェンクのシャコンヌそしてピアンカ | トップページ | ヴァイラウフのプレリュードは贋作? »

ピアンカとバルキ

ルカ ピアンカ(Luca Pianca)

  彼は、スイスに生まれ、古楽の大御所アーノンクールに師事しWCA(ウィーン・コンツェント・ムジクス)にも参加し、1985年にミラノにてジョヴァンニ・アントニーニとともにイル・ジャルディーノ (Il Giardino Armonico「調和の庭」の意)を結成した古楽の精鋭といえる存在である。

このイル・ジャルディーノの伝説的な録音がこれ

Iga_avq

1993年に録音されたヴィヴァルディの「四季」(前列右り3番目がピアンカ)
 激しく大胆な表現と常識(イ・ムジチに代表されるオーソドックスな演奏)をくつがえす斬新な解釈で古楽界に新風を巻き起こした。鮮明なリズム音色の対比、大胆な楽器奏法が散りばめられた演奏の中でピアンカのテオルボによる通奏低音がこれまた異才(彩)を放っている。

Iga_avl

また、この録音に先立ってヴィヴァルディのリュート及びマンドリンのための協奏曲集も行っている。自らアーチリュートを用いソロを演じている。もっとも有名なニ長調の協奏曲RV93では通奏低音は先に紹介したガンバ奏者ギエルミの兄弟と思われるロレンツォがチェンバロを担当している。こうした縁が先のCDの競演となったのかも…。

また、ピアンカは、バッハのリュート曲を録音している。
バッハ没後250周年と西暦2000年を記念して発売されたバッハCD全集の中に収録されている。(アーノンクールを中心としたカンタータ全集を含む)

B2000l_2

以下曲目~同全集解説より引用
第121巻
 組曲ト短調 BWV995(リュートのための)
 組曲ホ短調 BWV996(ラウテンヴェルクのための)
 組曲ハ短調 BWV996(ラウテンヴェルク[Fuga,Double]&
                     リュート[Prelude,Sarabande,Gigue]ための)

第122巻
 プレリュード、フーガとアレグロ変ホ長調 BWV998(チェンバロのための)
 プレリュード ハ短調 BWB999 (リュートのための)
 フーガト短調 BWV1000(リュートのための)
  組曲ホ長調 BWV1006a(リュートのための)

  以上をご覧いただくとお判りの様にピアンカ一人による録音ではない。ピアンカはおそらく単弦仕様のアーチリュートを使用しているのも一興だが、いくつかの曲をイタリアのチェンバロ奏者のミケーレ バルキ(Michele Barchi)が担当している。
  BWV996は最も鍵盤音楽に近い構造をもっておりこの選択は妥当であり、バルキ自身がに復原制作に関わったバッハが考案したとされるガット弦を張ってリュートの音を発する鍵盤楽器「ララウテンヴェルク」(E.Lorenzoni, Corvione di Gambara 1998, after Z.Hidebrandt and J.Chr.Fleischer)を用いており貴重な録音でもある。「リュートまたはチェンバロのため」とバッハ自身による指定のBWV998も選択の一つとして納得できる。演奏も律儀にラウテンベェルクではなくチェンバロを使用している。
  面白いのはBWV997であろう。ヴァイラウフがタブラチュア化したプレリュード、サラバンド、ジーグをピアンカのリュートで演奏し、それに含まれないフーガと(ジーグの)ドゥーブルをラウテンヴェルクと弾き分けている。
  しかし、実際には、フーガの一声部をリュートが部分的に受け持ち、ドゥーブルもリュートのジーグの前半、後半の繰り返し部分をラウテンヴェルクによるドゥーブルを差し挟む形で演奏されてピアンカとバルキのアンサンブルの妙を見せる。

そこで改めてある疑問の解決の糸口にたどり着くことができた。

  仕事に追われ、4月になったこと(明日誕生日!)に今頃気がついた藤兵衛であった。

|

« シェンクのシャコンヌそしてピアンカ | トップページ | ヴァイラウフのプレリュードは贋作? »

音楽」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ピアンカとバルキ:

« シェンクのシャコンヌそしてピアンカ | トップページ | ヴァイラウフのプレリュードは贋作? »