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2009年3月の7件の記事

花見の後にシェンク

   

   転勤前に、たまっていた特別休暇を消化すべくここ両日桜を散策に自転車散歩を嗜む。

 昨日の段階で荒川の吉見町の桜堤はまだちらほら。たどり着く途中、男性に声をかけられる。何とこのブログをご存じ、しかもリカンベントも乗っていらっしゃったとのことで土手の上でしばし自転車談義に花が咲いた。

今日は近隣を散策。

 行田市の「さきたま古墳公園」と「さきたま緑道」の桜は咲き始めたばかり…。
ところが、どっこい古墳公園の某所。

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 結構花盛り…。観光客もあまり訪れない公園の奥の奥。私のお気に入りの場所。さっそく地元の通(つう)の方々が貸し切り同然に平日の白昼花見の宴。うらやまし~い。

こちらは鴻巣市の旧吹上町の元荒川沿いの桜並木

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木によってはかなりいい具合。今週末が気になる。

 明日は新職場に初出勤。程々に帰宅し音楽を聴いて英気を養わんとす。
ランダムにラックから取り出して聴いたのがこれ…

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Johann Schenckのヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための曲集「Tyd en Konst oeffenigen」Op.2よりソナタ5曲の抜粋。

 Viola da gambaソロはMonika Schwamberger通奏低音はテオルボ(Chitarrone)がSepp Hornsteiner鍵盤がGottfried Bach、コンティヌ担当のViola da gambaはBarba Messmerとまでは通常の編成。ところがKarlheinz Schickhausが奏する「Hackbrett」なる耳慣れない楽器が加わっていることに今更ながら気づかされた。というのは恥ずかしながら、初めてじっくり腰を落ち着けて聴いて無性に気になったからである。チェンバロともテオルボとも違う、むしろ音のなり方がクラヴィコードやピアノ=フォルテのような弦を叩く感じがする不思議な音。ひょっとしたらと思いネットで検索…。まさかとは思ったがまさしく「Hackbrett(ドイツ語)」とは民俗楽器ダルシマー(英語)のことではないか…。ドイツでは一時は宮廷でももてはやされたらしい。

 最大の発見はこのダルシマーそのものではなくその奏でるシェンクの旋律に思わず戦慄…

お後がよろしいようで、続きはまたの機会に…。

久しぶりの音楽ネタをいかに引っ張るか腐心する藤兵衛であった

 

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桜はまだ…

  本日、職場の担当部署の最大のイベントが無事に終わり、最後のミーティングで関係者に異動の挨拶をした。これにて残務処理も全て終了。縁あって来月から古巣(自分の出発点)に戻ることになる。

  溜まっていた休暇を消化すべく職場の机も空にしてきた。職場の庭の桜の開花も見届けずじまい。そういえば、この職場に来る前も同じ経験をした。その以前の職場は花だらけ、しかし、今度の職場には花がない。

  遅れ気味の桜の開花を恨めしく想う藤兵衛であった。

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春の心は…

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったものだ。今日は少し冷え込んだが、一時の寒さは感じられない。朝方、北風が幾分吹いていたが、もう恐れはしない。春を探しに前輪スポークの修理を終えた愛車LYNXXを駆る。

 

桜の開花を見定めんと、さくら堤公園に一目散。アンダーハンドル仕様のリカンベントの持ち味は抜群の視界の良さ。行き交うロードバイクに気をつけながらキョロキョロとお目当てのものを探す。

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お~、あったあったぞ!数か所で桜の開花を確認!上の写真でお判り?

それでは…クローズアップ

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待ちに待った桜花…来週は美しく咲きほこるだろう。近隣の桜の名所も楽しみだ。

 ところが先日、突然の異動の内示があり、今月末まで残務処理に追われ、今年はのんびりと桜を愛でられるかどうか、とても気がかり…。

 「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」

   …在原業平は満開の桜を前にこう詠んだが、咲く前も同じ想い。桜はかくも千々に心踊らせ、心惑わす。

 こちらも益々彩りを増す荒川土手の菜の花。

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おひたしを無性に食したくなった「花より団子」の藤兵衛であった。

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春近し

 朝起きると、窓辺の木々が風に揺れている。先日の恐怖の強風の一件がトラウマになり朝駆け(自転車散歩)を見合わせる。

 午前中はヴィオラ・ダ・ガンバでバッハのソナタを弾いたり、先日ドイツから送られてきた楽譜をフィナーレでスコアに起こしたりとのほほんと過ごす。

 昼近く、気分転換にふと外に出てみると風は暖かい南風。気づかないうちに庭のの花がほぼ満開。すっかり春めいているではないか!

 もったいないぞ…とばかりに、急いで昼食をすませて自転車散歩に打って出た。荒川の土手もすっかり春の雰囲気。途中ウインドブレーカーをバッグにしまい、うきうきとペダルを蹴る。あれあれ、途中、愛車が異音を発する。前輪のスポークが一本折れているではないか。とりあえず取り外し応急処置。

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菜の花がもうこんなに。土手のあちらこちらで野草を摘む人々。そういえば昔、母や祖母がをつんでよく草餅をつくっていたなあ。

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 荒川サイクリングロードの吉見町の「さくら堤公園」の並木。地元の人たちが提灯をかけていた。蕾も膨らみ開花がまたれる。

 春近し。色々なことに胸を膨らませる。別れと出会いの季節。今年はどんな気持ちで桜の花を見るのやら。

 折れたスポークが気になり後ろ髪をひかれつつ早めに帰宅。50㎞にちょっと足りなかった。残念…。パーツがあれば自分でもできないことはないが、ディーラーに修理と調整を依頼した方が手っとり早いと判断し、早速、前輪を外して発送する。

  桜とスポークにかまけて庭の百日紅の枝おろしをすっかり失念した藤兵衛であった。

 

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忘れた頃にドイツから…

 数日前、海外から荷物が届いた。…ドイツから?。

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 「これ、どいつんだ?」とはお後がよろしいようで…。

  う~ん、しばし荷物を前に思いおこす。次の瞬間、小躍りする。ず~~~と前にまとめて注文した楽譜!たしかオーダーした楽譜のいくつかが在庫切れととの返事をもらい、送料がもったいないので「全部揃うまでとにかく待つのでよろしく」といった怪しげな英文のメールで返答した物件しかないぞ。

 あせる気持ちをおさえて再度送付元を確認。間違いない。まさに欣喜雀躍!しっかり写真に納める。

お~と、何と包みの紐に蝋緘が!

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 ドイツからの長旅ではがれて形も崩れている。今どきのセキュリティーとしては心もとないが、当地ヨーロッパの伝統を感じさせる心憎い演出。

 中身は何かは今はヒ・ミ・ツ…。ほとんどがバロックリュートを交えた協奏曲などのアンサンブル作品(ファクシミリ)とだけ触れておこう。

この休日、飽かず眺め堪能した藤兵衛であった。

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リウト・アッティオルバート~MELIIの作品集その1

 「リウト・アッティオルバートのため」とはっきり謳っている作品にピエトロ・パオロ・メリ(Pietro Paolo Melii1579~1620?)の「INTAVOLATURA DI LIUTO ATTIORBATO」全5巻がある。

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 イタリアのSPES社からファクシミリが出版されている。この出版社はイタリアのリュート音楽のレパートリーを数多く出版しているが、序文(解説)がイタリア語のみなのである。大学で第二外国語はドイツ語専攻の自分では解読するのはとても至難。初めて手に入れた時、第1巻(Libro Primo)に相当する巻が欠けており、アバウトなイタリアのことだからなあ~…とかなりあせる。しかし、これらを収納しているカバー(紙ケース)は4巻分ちょうどの大きさ。もしやと思い、序文を見当をつけて垣間見ると、第1巻は消失してしまったらしいことが何となくつかめたという体たらく。
 気を取り直して簡単そうな曲を見つけては片っ端から弾いてみた。あまり旋律的でない曲が多い。う~ん第3巻(Libro Terzo)は途轍もなく変。しばらくしてスコラダトゥーラ(変調弦)を要することに気がつく。ただでさえイタリア式タブラチュアとリウト・アッティオルバート自体にもまだ不慣れな私にはお手上げ。だが、他の巻のあちらこちらに魅力的な音楽が散りばめられているではないか!

 その幾つかの曲の中で一番気に入ったのが第4巻(Libro Quarto)の「アルフォンシーナのコレンテ(Corrente detta l'Alfonsina)」。

Melii_cor_alfo

 Meliiの代表作の一つに数えても良い心地よいイタリア的なメロディックな曲。ここ数日憑かれたかのように弾きこんでいる。いい音楽には理屈は要らないが、イタリア語の辞書にかじりついてでも序文を解読しMeliiの実像を探りたいと思うくらい首ったけになってしまった。CDならば英文の解説は載っているに違いないと期待を抱く。でているのかしらん?

 おっと、明日は休日出勤。大切なイベントがあるし、その後の打ち上げパーティにも参加しなければならない。イベントは当然ながら宴会にても居眠りしないように今日は早めに床に入らねば…。あ~午後11時に迫る。今日はここまで。ろくに校正していないので、ご容赦を…。

  久しぶりに外で飲むことになりワクワクどきどきの藤兵衛であった。

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私の愛器~リウト・アッティオルバート

 仕事が一段落ついたところで、遅ればせながら、深手を負い長 い入院生活の後、先日無事に修理を終えた我がリウト・アッティオルバートを改めて御紹介。

  イタリア語で「Liuto attiorbato」すなわち「テオルボ化されたリュート」という意味という。17世紀前半にはイタリアで普及していたらしい。一般的なG調弦のルネサンス・リュートは直角近くに折れ曲がった糸倉(ペグボックス)に10コース程度までを格納し指板上に配置するようになってはいたが、このリウト・アッティオルバートは7コースのルネサンス・リュートの糸倉をまっすぐに引き延ばして、その先端に7コースの拡張バス弦を取りつけた楽器と思えば良い。何と14コースの弦を持ち(1コースのみシングル)、計27本のリュート属最大の弦を有する楽器なのである。ちなみに、後に出現するアーチリュートと混同されている場合が多い(後述)。

 そもそも、テオルボ、キタローネ、アーチリュートの区別分類について、当時でもかなり曖昧なところがある。一例をあげるとキタローネは金属弦、テオルボはガット弦を張ったと誠しやかに言われていた。近年になってかなり研究が進み、整理されて来てはいるが、明確な定義がある訳ではない。Wikipediaをはじめ、竹内太郎さんRobert Spencer氏の論文Nyankomeさんのプログのコメントなどが参考になる。個人的には第一線で活躍されている竹内さんの記事が説得力があり、要点が判りやすくまとめられていると思う。

 以下は私見。

 16世紀後半にイタリアで起こったカメラータにおける声楽の伴奏用として拡張バス弦を持つテオルボと呼ばれる楽器がリュートを元にして創作された。モノディ様式からオペラへと発展していくなかで、その原点である「古代ギリシア」の精神を尊ぶ上でギリシアの楽器の名前に因む「キタローネ(Chitarrone)」という別称(愛称)が生まれたと考えられる。
 つまり、拡張バス(指板外の低音弦)をとめるネックからまっすぐに伸びた糸倉(ペグボックス)を持ち通奏低音の伴奏に特化した楽器をリュートと区別してイタリア語で「ティオルバ(Tiorba)」と呼んだのであろう。オペラの広がりとともにヨーロッパ各地で「テオルボ(Theorbo, Théorbe)」として普及し、当地の好みに合わせて様々な亜種が派生し混乱をまねくのである。
 話をリウト・アッティオルバートに戻すと、この楽器は文字通り「テオルボ化されたリュート」であってテオルボではないである。要するに「テオルボの様な拡張バス弦をもった(独奏用)リュート」と捉えるのが一番本質をついている。
 事実この時代のPiccinini、Kapsperger、Gianoncelliなどの「di Liuto(リュートのため)」の独奏用作品は最大14コースを要する楽器すなわちリウト・アッティオルバートを想定しているのは間違いないからである。いわばイタリアにおいてはルネサンスからバロック時代の過渡期の楽器なのである。
 だが、イタリアでは、恐竜と同じように異常進化したこの楽器をもってリュートは衰退をとげる。辛うじてZamboniの「D'INTAVOLATURA DI LEUTO」1718でその残滓を留める。以前と同じく「リュートのため」とあるが、ここでは「アーチリュート(Arciliuto)」を指している。「大きなリュート」の意を持つこの楽器は、今まで述べたリュートの進化の過程から言えば、正確には「大きなリウト・アッティオルバート」と言うべきである。
 すなわちテオルボとは別に、新たにバロック様式(器楽合奏)に対応した通奏低音用に特化したリュート(リウト・アッティオルバート)が、アーチリュートなのだと思えてならない。そして、このアーチリュートは、イタリア発祥のオペラに寄生する形で生き残ったテオルボと共生し、フランス、ドイツ、イギリス各地の宮廷や奏者の好みに従って、まさに自家薬籠中の楽器として活躍したのである。ドイツ後期バロックリュートがテオルボとしばし混同されるのは尤もなことである。

以上、とりとめのないことを述べてきたが、私の件(くだん)の楽器を紹介(写真奥)。

ロンドンで修行しスペインのバルセロナ在住の製作家アレキサンダー・ホプキンス
(Alexander Hopkins)の作品。おそらくMatteo Sellasの楽器をベースにしていると思われる。

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 弦長は指板上58㎝、拡張バス弦86㎝とコンパクト、以前紹介したコーエン作の所謂ジャーマンテオルボ型バロックリュート(指板上70㎝、拡張バス弦97㎝)と並べてみると一目瞭然。安価な割りに工作精度も高く装飾もそれなりにイタリアン。例えば裏面…配色は異なるが、昔訪れ目にしたバチカンの衛士のコスチュームを想いだす。

Liutoattio_barlut02

  某有名ギターショップで中古品として委託販売(持ち主は誰?)されていたのが目に留まった。物珍しさと…実際、製作依頼でもしない限りお目にかかることもない楽器、しかも即座にゲットできるとはまさに千載一遇のチャンス…、あまり弾かれていない美品ということもあってまさしく一目惚れの衝動買い(新車購入資金を切り崩す…あ~う~sweat01)。ところが、購入後じっくり弾いてみて癖のある楽器と知る。…あまり弾かれていないのはさもありなん。お蔵入りになりそうなところが、不注意で壊したことが幸いする。修理ついで奥清秀さんに、容易にできる範囲で調整してもらって以前よりも弾きやすくなったのだ。本当はボディの改修をしてもらいたかったが、明らかに素人目にもとても大がかりになりそう(作り直すに等しい?)なので、これは断念。

 ペグの回転がよくなったことで、調弦のストレスが格段に和らいだのが何よりもうれしい。手狭な書斎にてそのコンパクトさも見直され触れる機会も多くなった。これを機会に、この楽器でイタリア初期バロックのリュート音楽(…苦手なイタリア式タブラチュアも)に慣れ親しまん…。
 とはいっても、その弦の多さと一部張られているガット弦に「あ~も~」と日夜格闘する宿命からは決して免れない…ナイルガットやシングル仕様にする手もあるが…。

   しっかり元は取らねばと、妙に偏屈になっている藤兵衛である。

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