のぼうの城~コミック連載開始
朝駆け八里ほどこなす。帰りがけによったコンビニで一冊の週刊誌が目に留まる。
何と『のぼうの城』がマンガ化されているではないか!!(゚ロ゚屮)屮
小説と同じ小学館発行の『BIG COMIC スピリッツ』
あの食通名作長編マンガ『美味しんぼ』を手がけた花咲アキラ氏により新連載。
早速、自宅にて繙く。
宣伝をかねて一場面を引用させていただく。
忍城の佐間口の描写。別の場面の櫓の門の描写もふくめ、みごとに中世の城郭のイメージを再現している。鬱蒼とした木立もリアルである。忍城の俯瞰図も中世の姿で再現してあり、考証にも気を配っていて地元民としても興味深い。
いくつか難点もみられる。どこをどうというのはなかなか難しいが坂東(関東)風というものを描き切れていない。謀国営放送の 「大河ドラマ」などによって刷り込まれた関西風に仕立てられた時代劇の常套的な描写(セット、衣装、所作、セリフ)がこのマンガでもとうとうと流れる中、 先に述べた中世の景観の描写がいたるところで不協和音を奏でている。
確実におかしいのは山並みの描写。忍城のある行田市は関東の平野のど真ん中。マンガで描かれているような隣接(接近)観はなく、広大かつひたすら平坦な坂東平野の只中で遥彼方の山並みを時々(忘れたころに)眺めて暮らす地元の人間にはとても違和感を覚える。たかが古墳の丸墓山が絶好の展望の場所として登場することを覚えていてほしい。
また、小説でもいえることだが地元の方言を全く考慮していない。そもそも「のぼう様」のいわれの「木偶の棒」という言葉自体が当時地元で流布していたこと自体が疑わしい。侍言葉が関西標準語なのも変だが、「ず~ず~弁」とまではいかないが、せめて百姓たちに行田方言の「~だんべ。」の語尾をつけてもらうだけでリアリティが増すかな…(といっても地元の人しか喜ばないか…。いや~百姓娘が「わかっております。」には大笑…)。原作以上にマンガだと何気ないセリフが余計に目立つ。
これらの不協和音は悪い意味でなく音楽と同じように一種の期待感を意味する。何せ今まで顧みられる事のなかった辺境の一地方のお話なのだから…。
歴史ものは劇画タッチのものが多いがほのぼのとしたタッチが主人公のキャラクターだけではなく坂東平野の田舎の風情によく似合う。主人公はじめ登場人物も個性豊かに描き分けられ、今後の展開が楽しみな藤兵衛である。
忠告:原作にこだわる人、マンガに興味のない人は決して繙くべからず。(いうまでもないか…。)
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