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ディアベリの葬送行進曲~没後150年

 ヴァイスのトンボーを弾いていて「トンボー」について調べはじめたもののまとまりがつかなくなって頭の中がグチャグチャ。
 そういうときは気分転換と…久しぶりに19世紀ギターを取り出してみた。「さあ何を弾こうかな~」と書棚からたまたま取り出した楽譜がなんとこれ!
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  ディアベリの「葬送行進曲」!!う~ん…なんという巡り合わせcoldsweats02
しばし戸惑うが、よく見るとミヒャエル・ハイドンとマリア・テレジアにちなむ曲…
怖いもの?見たさの好奇心には勝てず繙いてみた。この楽譜にとってみれば本棚の肥やしになるところを救われた訳だ。そして、作曲者

アントン(アントニオ)・ディアベリ(Anton Diabelli 1781-1858)

A_diabelli

何と今日9月6日が誕生日!
ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ…偶然とはいえ思わず背筋に何かが走る。sweat02
…ふ~っまあ誕生日だからよしとしよう。それに今年は没後150年……

   ディアベリはウィーンでベートーベンやシューベルトの作品の出版に関わった人物であり、少年の頃、ザルツブルクの聖歌隊にてかのミヒャエル・ハイドンに音楽の手ほどきをうけその後兄のヨーゼフ・ハイドンにも師事し作曲家とも知られる。一般にはソナチネや連弾などのピアノ曲で知られている(確か昔弾かされた楽譜がピアノのあたりにあるはずだ。書斎のあちこちから忘れられた楽譜たちの怨嗟の声が聞こえそうsign04sweat01)。音楽ファンにはベートーベンの『ディアベリ変奏曲Op.120』でその名が知られている。セゴビアの演奏で知られるリズミカルで洒落た感じのメヌエットなど数多くのギター曲を残している。これはあるソナタからの抜粋であるが、このソナタについてはブリームが「とんでもないこと」をしでかしている…それについては後日にゆずる。 このことにも関連するが残念ながらギター音楽の中でも知名度は低いし多くの曲は埋もれたままである。

まずは 『Trauermarsch auf den Tod von Michael Haydn Op.20
Diabelli01

 ミヒェエル・ハイドンの死に際し、ディアベリが葬送行進曲を書いたと聞いたことがあるが、ギター曲だったとは興味深い。ヴァイスの♭5つの変ロ短調から比べるとホッとする♭一つのニ短調。曲も行進曲ということで同じようなリズムパターン(音型)が坦々と続く。ギターの葬送行進曲といえばソルの『悲歌的幻想曲』のそれが有名であるが、ディアリベリのそれはソルや彼と交流の深いジュリアーニの作品のギター臭さとは一線を画している。曲の構成が何となくオーケストラやピアノなど普遍的な作曲手法を感じさせる。曲の出来不出来(好み)は別として声部の独立性はかなり強くオーケストレーションを施せばそれなりの曲に仕立てあがるのではないだろうか。ジュリアーニ以上にff  p の対比、スフォルツァンドを効果的に使用している。  

後半部の冒頭。

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この部分の転調の取り扱いも同様

終結部分。
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 最後の pp  の64分音符の重音の処理(表現)が意味深。

 続いて 『Trauermarsch auf den Tod von I.M.Maria Theresia Op.23』 
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 ホ短調がよく響くギターにはなじまない♭4つのヘ短調。その暗い響きは同時代にはすたれたトンボーの雰囲気をかもし出す。かのオーストリアの女帝マリア・テレジア(Maria Theresia 1717-1780)との関係はさだかではない。I.M.の意味が不明。それはさて置き、前曲と同じようにギター曲というよりクラシック音楽そのもの。低音声部などのスラーの効果によってギター曲として面目を保つ。フォルテ・ピアノの指示がそれをさらに特徴づける。前曲の48小節に対し、66小節にわたり漂うがごとく転調しながら坦々と歩みをつづける。
 いずれにせよ(葬送)行進曲という性格上、トンボーに比べると冗長かつ単調であるという誹りをまぬがれないが、彼の真骨頂の一端を示す作品でありディアベリ再発見といったところか。まあ、あまり演奏会向きでないのもたしかである…。
 験直しにジュリアーニでも弾こうかと思えども、もうすぐ午前零時…せめて19世紀ギターによるジュリアーニの協奏曲でも聴きながら床につかん…。

 気がついたら新たに「19世紀ギター」のカテゴリーを立ち上げることができて、ディアベリ様のお導き(それとも没後150年にしては寂しいとの声なき哀訴?)と畏れ入る藤兵衛であった。

明日は朝駆けbicycleやめて彼を偲ばん…。

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