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ブリームの功罪2

ブリームは私が一番好きで最も影響を受けたギタリストである。彼のレコードや楽譜も手元に多数ある。その中で大変お世話になった楽譜集が

『ジュリアン・ブリームギター選集』全5巻(全音)
Bream_sh
 ※画像がぼやけているのは当初からついているピニールカバーのせい

 第1巻

  • ローズ  2つのギターのための組曲
  • フローベルガー 組曲イ短調
  • ブクステフーデ 組曲ホ短調
  • バッハ 組曲ホ短調

 第2巻

  • パーセル 4つの小品
  • バッハ チェロのための二つのプレリュード
  • ボッケリーニ イントロダクションとファンタンゴ

 第3巻

  • チマローザ 三つのソナタ
  • ディアベリ ソナタイ長調

 第4巻

  • モーツァルト ラルゲットとアレグロ K.299
  • シューマン こどものソナタ
  • グリーグ 三つの小品 作品12

 第5巻

  • ドビュッシー 二つのプレリュード
  • ブリテン ノクターナル 作品70
  • イーストウッド バラード・ファンタジー  

 ルネサンスから現代曲まで幅広い選曲。出版当時はまさに日本のギター界にとっては啓蒙的かつセンセーショナルな曲集であった。これまた久しぶりに繙いてみるとバッハやブリテンなどあちこちに書き込みがしてある。確かブクステフーデのリュート組曲は「大学生のギターの集い」(のような名前の大学合同の演奏会)で全曲を演奏した記憶がある。その時ゲストでポンセのホ長調のプレリュードを演奏なされた渡辺範彦氏に舞台袖で書いていただいたサインがどこかに大切にしまってあるはずだ。第1巻のローズの2台のギターのための組曲はジョン・ウィリアムズとのデュオの名演にききほれ、いつかリュートでのオリジナルの音を耳にしたいと渇望したものだ(残念ながら今だはたしえず…weep)。私がリュートに興味を持ったのもブリームによるところが少なからずあったといえる。チマローザやパーセルのチェンバロの佳品の存在も始めて知りバロック音楽への興味も喚起させられた。
 また、ボッケリーニのギターをふくむ五重奏曲「ファンダンゴ」のファンダンゴの楽章をギターとチェンバロ用に大胆に編曲した楽譜を目にし、LPで(先日触れたバッハのリュートソナタと同じ)マルコムとのスリリングな演奏で耳にしたときの興奮は今でも忘れられない。
 
『ジュリアン・ブリームギター選集』第2巻より

Bream_boc_sh1
同じくファンダンゴの冒頭
Bream_boc_sh2
Bream_boc_lp

ギター史に重要な足跡を残したと断言できる快挙。

 ちなみに、へンツェなどブリームが手がける多くの現代曲の虜にもなった。大学時代所属していたギターサークルの卒業演奏会でフランク・マルタンの「4つの小品」をとりあげたのもブリームの影響そのものだ。おかげで一時期マルタンのピアノ曲やオーケストラ曲にはまってしまったのだ。「4つの小品」にも影響を与えた彼の代表作(ピアノとハープとチェンバロの為!の)『小協奏曲』は傑作!。同じくチェンバロ協奏曲も隠れた佳品。そして、なによりも好きなブリテンのノクターナルは彼の以外の演奏は考えられないと今なおかたくなに信じて疑わない。

 ただし、昨日述べたように第3巻のディアベリのソナタはいただけない
(尤もこの曲を録音しているLPに触発されてジュリアーニの大序曲を何度か演奏会で披露している…)
Bream_diab_lp

…といっても、その違和感のようなものを感じたのは自分が19世紀ギターに触れるようになった数年前のことである。その顛末については日を改めて書く予定である。

てなわけでトンボーのことは棚にあげてしまった藤兵衛であったbleah

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19世紀ギター」カテゴリの記事

コメント

突然失礼します。
現役(といっても今年卒業なのですが)のK大ギタークラブの人間です。もしやOBの方でしょうか?
過去のプログラムで現代曲縛りのときがあり、そこでマルタン演奏していたのが強烈に印象に残っていて、ついついコメントしたくなってしまったのです。

投稿: | 2013年1月31日 (木) 10時20分

コメントありがとうございます。

残念ながら、小生はW大の(おそらく今はなき)某ギターサークルに所属していた者です。
現在は、クラシック(モダン?)ギターから、すっかり離れてしまいましたが、今でもマルタンの音楽は、好きですね。最近ピアノの初心者?向けの曲で「月の光」という曲をユーチューブで見つけました。う~ん、ギターデュオに編曲したい!~と、血がたぎってきました。
といっても、かないそうにないので、マルタンがお気に入りなら、トライして下さい。おすすめです。

投稿: 藤兵衛 | 2013年1月31日 (木) 19時39分

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