リュート協奏曲~その4 ブリームの功罪
出張から帰って一息ついて発掘にとりかかる。
あった。あった。実に久しぶりの対面である。
ヴィヴァルディ
リュートと弦楽のための協奏曲 ニ長調
コハウト
リュートと弦楽のための協奏曲 ヘ長調
ヘンデル
二つのリュート、弦楽とリコーダーのための協奏曲 変ロ長調
ヴィヴァルディ
二つのリュートと弦楽のための協奏曲 ト長調(原曲2つのマンドリン用)
ガーディナー指揮 モンテヴェルディ管弦楽団
かのロバート・スペンサー(キタローネ)の名前も
1976年の販売である。使用楽器は解説によると「17世紀初期の8コース(14弦)のリュートをモデルとして、デヴィッド・ルビオが制作したもの」である。ルネサンスリュートもどきでバロックを演奏などとは(失礼ながら)今の視点からみれば何をかいわんやの話ではある。ただし当時としては、コハウトやヘンデルの珍しいリュート協奏曲を世(一般)に知らしめた功績は大きいだろう。私自身もバロックと古典主義の入り交じったコハウトの協奏曲が存在することに大いに驚いた。それとは裏腹にヘンデルのリュート版の復元(編曲※)および演奏スタイルに違和感と戸惑いを覚えたのも事実である。
※追記:この曲のリュートパートは現存していないらしい。またヴィオラのパートは手元のスコアではチェロのオクターブ(ユニゾン)の指示があった。
コウハウトの楽譜を求めて幾星霜…
一度、銀座の日本楽器の楽譜売り場で五線譜版の楽譜を発見したが持ち合わせがなく涙を飲む…
近年ファクシミリ版とCDを相次いで手にすることができた。それについては後述…。
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コメント
こんばんは。
これはまた懐かしいレコード。
この当時のルビオのリュートを、実際に目にしたことがあります。
ギターのように駒にサドルがあって弦高はギターと同じくらい、当然指板も厚く、ポイントの部分から低くなっている、なんちゃってリュートですね。
ま、当時としては致し方ないかも知れません。ブリームはギタリストであって、ルタニストでは無いのですから。
ブリームはこのレコード以前に、バッハのトリオ・ソナタ(当然編曲)とヴィバルディのリュート・ソナタを録音してますね。
投稿: 奇士 | 2008年7月15日 (火) 23時35分