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クヴァンツのトリオソナタを練習

 昨夕は久しぶりの嵐のような雷雨thunder。あることで帰宅のタイミングを逸したおかげで、「バケツをひっくり返す様な豪雨」とはいかなるものかを職場の駐車場で初体感するはめとなった。でも雷雨のおかげで今朝は涼しい。しかも曇り空。朝駆けにはうってつけだったが、六里ほど走ってbicycle七時過ぎには帰宅する。

というのは延期になっていたアンサンブルの初合わせが今日あるからだ。 曲はクヴァンツの「フルート・ドルチェとフルート・トラヴェルソのためのトリオソナタハ長調」
Quantztrio
デュパールの「(フルート)組曲第五番ヘ長調」の二曲。バスコンティヌオをヴィオラ・ダ・ガンバで担当する。
 

 エコブームに煽られて(職場でネクタイしめたメタボのおじさんたちがガンガンクーラー効かすのに辟易しているのも手伝って)自宅のエアコン我慢気味のこの頃、楽器・ガット弦に猛暑は禁物という気遣い(言い訳)というより、暑さでの気の弛みで練習はさぼり気味coldsweats02。アンサンブル前にしっかり練習せねば…

 ところで、ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(Johann Joachim Quantz1697-1773)は、かのフリードリヒ大王のフルートの指南役として有名である。バッハが大王に献呈した『音楽の捧げ物』を紹介する記事で必ず名前が登場する人物でもある。バッハの伝記で「大王にひいきされたべんちゃら男」、「大王にへつらった内容のない作品を量産した」といったような記述を見かけたことがある。また「クヴァンツだけが(うまいともいえない)大王のフルート演奏のあとヴラボーということを許された※注とか「フルートソナタ一曲つくるごとに特別報奨金が与えられた」といったエピソードを強調する記述は、大王のフルート演奏の伴奏をチェンバロでつとめながらもクヴァンツに比べ冷遇されていたエマヌエルに対する同情とやっかみである。同様に、父セバスチャンの『音楽の捧げ物』(とりわけフルートパートをわざわざ設えた労作トリオソナタ)がポツダムの宮殿では無視されたことにクヴァンツがからんでいるとは根拠のない勘繰りである。

※注:王の演奏が怪しくなるの見て取って(阿吽の呼吸で)演奏を制止するためというのが真相。

 客観的にいえば、クヴァンツはフルートを含むソロやトリオソナタおよび協奏曲など数100近くの曲を作曲したばかりでなく、ヨーロッパ各地で名声を博した一流のフルート奏者であり、著作『フルート奏法試論』をもって近代フルート奏法にも大きな影響をあたえた重要な人物なのである。確かに毎回仕事でつきあわされるエマヌエルも気の毒であるが、そのおこぼれをもらって当時の日常の音楽シーンに触れられるという幸せにひたる藤兵衛である。

おっと練習なくっちゃ…sweat01

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コメント

クヴァンツのトリオ・ソナタは,いつ聴いても趣きを感じますね。とくにこのハ長調は清潔感や声部のバランスの良さを感じる珠玉の逸品ですね。クヴァンツ氏は,「トリオこそが音楽で最良の形態である」という意味の言葉を残していますね。数多いクヴァンツのトリオ・ソナタを見ていますと,どうもヘンデルのトリオ・ソナタからモチーフのヒントを得ていることが若干あるかと感じることがあります。そしてまた,クヴァンツをはじめとする音楽家が集ったサンスーシー宮殿は,バロックからロココへ,そして古典派へ移り変わってゆく重要な原動力が存在した場所ではないかと思っています。

投稿: J.マツイ | 2010年5月16日 (日) 21時48分

度々のコメントありがとうございます。

そうですね。大バッハの晩年の頃の後期バロックの中心となったサンスーシー宮殿の大王の側近として活躍した彼の音楽や、人物像には大変ひかれるところがあります。もっと彼のこと知りたいですね。
同じく、ドレスデン宮廷で活躍したハッセも気になります。

投稿: 藤兵衛 | 2010年5月23日 (日) 11時51分

 藤兵衛様のコメントに感謝いたします.拙者,ハッセについて全く何も知らないのですが,かつて聴いたG.P.テレマンの「学校の先生」と題されたようなカンタータの歌詞を思い出しました.かなり前のことで記憶があいまいなのですが,作詞もテレマンだったように思います.男声(先生役)とコーラス(生徒役)とコードによる編成だったか,コーラス部分の旋律はわざと滑稽に(音程がはずれているかのように)作ってあり,そのうち,先生役の男性が次のように歌います.「もっとまじめに練習して歌いなさい.そうすれば,きっとハッセや誰々のように(誰々というのが思い出せません)素晴らしい音楽家になれるのだよ」と・・・.作詞もテレマンだとすると,あのテレマンも,ハッセに対して敬意を有していたように思えます.不確かな話で申し訳ありません.J.マツイ(京都)

投稿: J.マツイ | 2010年5月25日 (火) 00時29分

イタリア帰りのハッセのドレスデン宮廷に請い雇われてのデビュー作のオペラ『クリオフィーデ』をバッハがとても楽しみにライプチヒから聴きにいったということです。私は、その時のドレスデンでのバッハのオルガン演奏はついでのことと思っています。バッハがなくなった後も長く活躍したそうですが、結局ハイドンやモーツァルトの陰に埋もれてしまいました。ハッセのフルート協奏曲やトリオソナタの器楽のCDを聴いているとオペラだけでなくこの時代の寵児という言葉がぴったりです。

投稿: 藤兵衛 | 2010年5月25日 (火) 22時03分

藤兵衛様へ.
 たびたびお邪魔をして恐縮いたします.70年代後半の3月でしたか,ドレスデン宮廷楽団の伝統を受け継ぐとされるドレスデン国立歌劇場管弦楽団の演奏会の遠い記憶をご報告させて頂きす.メンバーの名称は,ドレスデン・カンマー・ゾリステンでした.申し訳ありませんが,次便にてさらにご報告させていただきます.

投稿: J.マツイ | 2010年5月30日 (日) 16時22分

こんにちは,ドレスデン・カンマー・ゾリステンという室内管弦楽団が,以前来日いたしました.2Vl.,1Va.,1Vc.,1Fl.,Hpsi.の6人で現代楽器の使用でした.歌劇場管弦楽団の選抜メンバーだったようで,Fl.ヨハネス・ワルター氏,Vi.ウルフリブト氏・フレンツェル氏,Vc.ビジョフ氏達でした.曲目は,「J.S.バッハ トリオ・ソナタ ハ長調」「同 管弦楽組曲2番ロ短調」などでした.バッハに敬意を示すために,演奏はチェロ以外起立して行うとされていたことと,ヴァイオリンの美しい音色が印象的でした.

投稿: J.マツイ | 2010年6月13日 (日) 12時33分

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団というとバリバリのクラシックオケというイメージしかなく、バロック音楽中心の自分は恥ずかしながらCD一枚も持っていません。バロックの時代の伝統はこの室内管弦楽団によって受け継がれているわけですね。でも、モダン楽器ではいま一つの感が無きにしも非ず。またバッハはともかくもクヴァンツなどの本家ドレスデン宮廷音楽家の作品は継承されているのでしょうか?気になります。

投稿: 藤兵衛 | 2010年6月13日 (日) 21時29分

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